化女沼は大崎市古川の北部丘陵地帯にあり、丘陵地帯の南端低湿地に自然滞水でつくられた沼でした。この化女沼は伝説と結びつき、別名「化粧沼」としても知られています。東北自動車道、長者原サービスエリアに隣接しており、今は治水ダムとして風光明媚、景勝の地でもありピクニックアリア、古代の里、宮沢遺跡等あり、交通アクセスも良く、行楽に、釣りに、渡り鳥観察に訪れる人も多くなっています。
女が化ける沼と書いて「化女沼」
奈良、平安時代にさかのぼれば、森に囲まれた自然の沼であったとか。周辺には長者原、金堀場、糖塚吉次街道の地名もあり、歴史的にも宮沢遺跡が残されています。それが伊達藩が江戸時代、元禄三年に開拓にあたって堤防を築き、農業用水として使われた記録があります。
周辺環境も生態系に富み、山野草の宝庫でもあり行楽、憩いの場、観光地でもあります。
昔から沼に生息する生物も豊かで魚類も鯉、鮒、鰻、モエビ、貝類も多く、ジュンサイ、ヒシも豊富に取れ食生活に役立っていました。
戦後は食糧増産の為の開田、そして生産調整と移り変わり気象変動もあり洪水、干ばつが繰り返されました。その間、化女沼のイベントとして捕魚大会が何回か開催され生活に役立っていました。
農業用水不足に悩まされ、その対策が大きな課題となり化女沼土地改良区や自治体の運動があり化女沼ダム建設への発展となりました。
「化女沼ダム」
昭和41年にダム予備調査が始まり30年に及ぶ年月を要し平成7年10月にダムが完成しました。
ダムによって洪水調節、用水確保
ダムができたことにより洪水調節、用水確保ができるようになりました。ダムができた当時は景観も変わり高度経済成長もあり観光開発が進み化女沼レジャーランドの開設もあり賑わった時代でした。 一方、汚水、農薬、気象、水質、人為的による生態系の変化がありました。外来魚(オオクチバシ、ブルーギル等)の繁殖によって在来種の消滅、水生植物も危惧状態にあり、現在外来魚の駆除等を行っています。
化女沼ダム
- 北上川水系、田尻川、苔の谷地に治水ダムとして建設
- ゾーン型フィルダム
- 高さ24m
- 総貯水量302万m2
- 面積34ha
ラムサール条約湿地登録
化女沼が平成20年(2008)10月大崎市の宝が世界の宝になりました(世界で1843番目、日本で34番目、宮城県で3番目、大崎市で2番目)。特に渡り鳥のうち、亜種ヒシクイの塒(ねぐら)入りの湖としてダム湖は珍しいです。
化女沼には水生植物、周辺には800種に及ぶ植物が生息しており、「特定非営利法人エコパル化女沼」は、ラムサール条約の理念に基づき自然環境を守る為、湿地を保全し生物と共生する環境づくり活動を進め、持続可能な豊かな地域づくりを目指しています。
化女沼へのアクセス
(宮城県大崎市古川中心街より北に約5キロメートル先に位置)
- 国道4号線(東京〜青森間)(宮城県大崎市古川荒谷と小野間から県道を西に入り車で5分)
- 東北自動車道長者原スマートインターチェンジから5分(また、長者原SA上り線隣接)
- 東北新幹線古川駅より車で20分