化女沼近辺に見られる県・市指定樹木

化女沼周辺には長岡、富永、宮沢、清滝の4地区がある。この4地区には県指定文化財の樹木が1本、市指定文化財の樹木が3本ある。どの樹木もたいへん見事なものである。

県指定

長久寺のマルミ榧

中世大崎氏3代詮持の頃、長久寺の開山日幡上人が植えたと伝えられている。実が丸みを帯びているのでマルミガヤの名称がある。境内には子育ての神様として親しまれている鬼子母神が祀られている。幹は直立するが、地上1.5mから無数の太枝を出し水平〜下垂れして四方に広がる。下垂れした枝先は地面すれすれに達し樹形は大きな傘状を呈する。枝分かれする部分は枝が累々と重なり合い樹皮はこれに応じて縦に凸凹を繰り返し異様な形を示している。

所在地
大崎市古川宮沢字裏馬田町6
所有者
長久寺
樹種
イチイ科カヤ
推定樹齢
650年
樹周
700cm
樹高
16m
指定状況
昭和46年宮城県天然記念物に指定

市指定

館神社の桜

清滝三大明神の一つ館明神社殿の左側にある。太さ目通り440cm樹高30m枝葉は20m四方に茂り、古枝の跡は「こぶ」となり貫禄を示している。花は毎年4月20日頃満開となり高台にあるので遠くよりもよく望まれ、昔はこの花を目安として苗代に播種した。

所在地
大崎市古川北宮沢二枚橋
所有者
館神社
樹種
バラ科エドヒガンザクラ
推定樹齢
400年
樹周
440cm
樹高
30m
指定状況
昭和45年古川市天然記念物に指定

弁天様の大杉

昔の千枝湖(大崎沼)に浮かぶ弁天島(弁天崎)の中腹にある市指定の天然記念物。今も樹勢旺盛。表刀神社は天平神護年間(767年頃)創建の延喜式内社の一つ。戦国末期大崎義隆公が表刀神社を修復しその際弁財天を同時に合祀したと記録にあるが、その時代社殿の周囲に植えた杉と思われる。

所在地
大崎市古川小野花島
所有者
表刀神社
樹種
スギ科オオスギ
推定樹齢
800年
樹周
605cm
樹高
29m
指定状況
昭和59年古川市天然記念物に指定

長岡小学校の欅

伝説によれば長寛2年(1164年)ここに移り住んだ千葉某が幾変遷して渡辺姓となり、江戸後期弘化年間(1844〜1897年)ここで家塾を開いたという。於菟松(オトマツ)(千葉周作の幼名)は塾開設の前にここで修行したようである。長岡小学校再建(現校舎)のとき、この欅の残存で紛糾したが今に威容を残している。今は盤根錯節は見られないがこの盤根に覆土したのは昭和61年(1986年)頃。樹勢回復の為佐々木正承樹医の手を煩わしたのは平成10年(1998年)12月で今は樹勢旺盛である。

所在地
大崎市古川荒谷字新樋ノ口62−2
所有者
大崎市
樹種
ニレ科ケヤキ
推定樹齢
400年
樹周
460cm
樹高
25m
指定状況
昭和62年古川市天然記念物に指定